GAME REPORT

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4/28(土)・J1−第8節・ガンバ大阪戦 2005年4月30日(土)0時36分2秒 deletemodify

京葉線の遅れの影響で前半30分過ぎから観戦。
強風吹き荒れる臨海での一戦は、水野晃樹の一人舞台となった。

スタジアムに着いて、仲間達から戦況を聞くと風に後押しされて大阪が攻め込んでいるものの、ジェフが水野を基点にして何度か惜しいチャンスを作っているらしい。後は、巻かハースが、そのクロスに合わせてくれれば。
ピッチでは、両チームの選手が強風に四苦八苦していた。少しでも高く蹴れば、ボールは風で押し戻されるか、大きく流される。風下から風上に向かって攻めるジェフは、クリアしても風でボールが戻って来てしまう。それでも、粘り強く細かいパス回しでゲームを組み立て、チャンスを伺う。坂本のミドル砲は、松代に好セーブされるものの、組み立ての質で上回り、いい流れだと感じた。

前半終了間際、右からまた晃樹がフリーで攻め上がる。
「4度目だ!」誰かが叫ぶ声がして、逆風を突くクロスがファーサイドの巻の頭にピタリと合った。先制点!後半に向けて、これ以上無い弾みがついた。風上から攻める後半は、さらに勢いがつくはずだ。

そして後半。出だしこそ、風で流れるボールに戸惑ったものの、ジェフの攻勢が始まる。
主役になった晃樹を周囲が意図的に使い出している。去年までの村井がそうだったように、ジェフは武器になる選手を生かそうと全員がフォローに回る。特に怪我開けの羽生が、今日も無尽蔵の運動量で晃樹の周りを走り回って、選択肢を作り、囮にもなる。その援護を受けて、晃樹が二川を向こうに回して、再三チャンスを作る。

後半11分、左翼に流れていたハースから後方から飛び込む晃樹に風に乗ったクロスが届く。一瞬トラップに失敗したかに見えたが、体制を整えて角度の無いところから叩き込む。チーム全員からの手荒い祝福。
さらに今度は後半27分、直前に羽生→山岸の交代でトップ下にポジションを変えていた晃樹が、智のシュートのこぼれ球を押し込んで試合を決定付ける3点目を一気に奪ってみせる。

そのすぐ後に、失点してしまったのはいい加減どうにか修正したいお約束。もっとも、その前にハースが外したイージーシュートを2発(この人は、難しいボールの方が良いらしい・・・ドカベンの岩鬼のような悪球打ちの選手だ・・・)、勇人と坂本が被って潰した惜しいチャンス、こうした拙攻を無くせばもう少しラクに勝ち点を稼げるのだが。

ともかく、強風の中、ジェフは最後まで運動量を衰えさせる事無く、らしいサッカーで勝利をモノにした。守備も、復帰したイリアンと大輔が要所を締め、前節大爆発した大黒にも仕事をさせずにコントロールした。連敗の中で強敵を迎えて、ここで敗れればチームのムードも一気に悪くなっただろうゲーム。勝てた事は本当に大きい。
そして、晃樹の活躍。チームには明るい光が再びさしてきた。


翌日、久々に姉崎へ行った。19時ごろ、前日出場機会が無かった水本が最後までピッチに残って楽山・岡本・中牧らと練習をこなしていた。鹿島が走り続けていると水を向けると、「ジェフは勝って行くしかない。昨日のようなゲームが出来れば勝てる。試合が続くし、次は頑張ります。」と力強い声が返って来た。もう、新人のような答えではなく、責任を果たさなくてはならない主力選手としての答えだ。

サブ組で戦術練習をこなしていたメンバーには、林・山岸・滝澤・工藤・中島・ポペスク・要田・・・と言う面々が並ぶ。いつの間にか、また少しずつメンバーが厚くなって来た。この連戦、そして6月の代表不在時に向けて、全員の力が問われている。
ここが正念場。次に輝くのはだれか、楽しみな日々が続く。

4/17(日)・サテライト・FC東京戦 2005年4月18日(月)20時34分3秒 deletemodify

この一週間は体力的に結構キツイ。磐田までクルマ飛ばして翌日仕事して、テンション上げたり戻したり。この日は、前日首位決戦に敗れて下がったテンションを、サテで戻しに江戸川まで出かけた。

のどか。
鳩が芝の上で餌をついばむボコボコのフィールド。選手達もひなたぼっこでもするかのようにウォーミングアップしている。どうもアマルコーチの息子さん(オシム監督のお孫さん)らしい、去年も秋津に遊びに来ていた男の子が駆け回ってるし、昨日の試合が遠い昔のように思える雰囲気だ(苦笑)
スタンドには、東京と千葉のファンが多数居たが、太鼓とかコールリーダーはお互いに居なくて、これまたのんびりした空気だ。

この日の目当てはポペスク(以下、「ガビ」と呼びます)。
だんだんにコンディションを上げていると言う話は聞くものの、連戦で姉崎に行く機会が無かったので、約1ヶ月ぶりくらいに見る姿だった。(前回に見かけたのは、足痛めて病院に行く為にワゴン車に乗ってる姿だったからなぁ・・・。)

メンバーは、真ん中のDFが不足している影響もあって4−4−2。サイドバックに、山岸と滝澤が入ると言う超攻撃的で、人材不足を感じさせる布陣だ(苦笑)。ガビは、トップ下ともボランチとも言える位置に入った。相棒は中島。左右に流動的に工藤と楽山が構え、最前線に高橋と要田。
対する東京も、ダニーロが先発。期待の新外国人MFを使いきれていないあたり、似たり寄ったりのチームだったか。

試合は、序盤からジェフペースで進む。
無理やりDFやってる山岸や滝澤が居るとはいえ、ほとんどトップメンバー。ボール回しには一日の長がある。姉崎仕様のジェフですらいやになるほどボコボコのグラウンドに悩まされながらも、ゴール前まで迫っていく。

その中でガビは、正確なワンタッチパスで序盤の攻撃をリード。ただのパスや、気の利いたヒールパスにしても精度が全く違う。手数をかけないパスの交換で、何度も東京のサイドを抉ってみせた。
そうした組み立ての良さの反面、運動量や守備的な貢献と言う面ではまだまだ。と言うか、ポジション的に同じだからと言って羽生と比べない方が良いだろう。全くタイプが違う選手なんだから、羽生の動きが必要なら羽生を使えば良いし、ガビを使いたいのなら、それに合わせて周りが戦い方を変えるべきだろう。羽生の運動量を併せ持ったガビなんていうスーパーな選手は、今のところ存在しない。

ジェフペースで試合は進み、東京のチャンスはダニーロがボールを持ったときだけ。
それでも、先制点が東京に入るのだからサテの集中力もいい加減なもんだ。なんでもないボールを、立石と結城がお見合い。ダニーロにかっさらわれて無人のゴールへGO!あーあ。。。なんかタテさんって、たまにこう言うのがあるんだよなぁ。。。
この1点で勢いづいた東京は、一気に攻勢に転じる。シュートこそ撃たれないものの、流れは目に見えて変わってしまった。そして、このあたりの時間帯ではガビもすっかりどこに居るのか分からなくなってしまっていた。

後半、立石→グッピー。まぁ、妥当。
後半も、攻勢の東京をいなしながらチャンスを伺う展開。失点しそうな感じは無いが、かといって得点しそうな感じも無い。ジェフは、前線で要田が踏ん張って、上がりの時間を稼ごうとするのだが、なかなかボールが収まってくれない。なかなか形が作れないまま、時間だけが過ぎていった。

交代の1枚目は堀川。工藤に代わって右MFの位置に入る。しかし、流れは変わらず。
ようやっと流れが出てきたのは、後半も30分過ぎから。少しずつサイドを活かしながらチャンスを作れるようになり、要田も積極性を出していく。35分頃のシュートは、惜しくもバーに阻まれたものの、直後のチャンスでスルーパスに要田が泥臭く合わせて同点とする。
さらに、87分。ガビの正確なCKを、楽山が目の覚めるようなダイレクトボレーで合わせて(少し前のトルシエ代表で流行った「スリーピング」とか言われてるセットプレーの必殺パターンだ)逆転する(※てっきり山岸のゴールだと思った(汗)ラク、すまん。。。)。

その後も攻めたて(最初からやれ)、ロスタイムまでの間に右から2回崩して、ガビのポスト直撃弾、堀川のフリーのシュートなどを見舞って2−1で押し切って勝利した。
凡ミスから失点しなければ、もっと主導権を持って戦えた試合。経験あるメンバーが多く出場しているのだから、締めるべきところは締めて若手を盛り立てて欲しかった。なので、豪快な一発での逆転勝利にも、いまいち割り切れない部分が残ってしまう内容だった。

個別の選手に目を移すと、繰り返しになるがガビはパサー。
運動量が無いわけじゃないが、羽生ほどを望むのは違う。彼が先発となれば、チームとして攻撃のやり方が変わるだろう。いま、ハースがやっているようなボールを中盤まで下がって受ける動きは減って、ガビがシンプルにハースに合わせる展開が増えるはず。
反面、両翼への援護と言った運動量を要求される動きが減るだろうから、チームとしての連動性は幾分落ちるかもしれない。運動量を補って余りあるパスの閃きをどう生かしていくかが、チームとしてテーマになっていくだろう。

個人的な意見としては、羽生先発で出来るだけ引っ張って、相手が疲れた頃にガビを投入して試合を落ち着けると言う使い方を見てみたい。林にスルーも出せるし、キープ力で味方の上がりも稼げる。セットプレーの選択肢も広がるし。
コンディションは上々。水曜日のTGでトップ組に混じれば、土曜の清水戦で出陣もあるかも知れない。

その他の選手では、堀川が終盤面白いステップで2・3人相手に見事に抜いていた。
DFウラへ抜け出す動きと言い、荒削りだが面白い。トップにはまだ時間はかかるだろうが、特徴のある選手だと言うことは分かった。

春先に比べると、サテもだいぶチームになってきた。個々の特徴が分かりやすくなってきたので、また次の機会には別の選手に注目して観戦してみようと思う。

最後にラク!智のゴールと勘違いしてすまん!お見事なゴールでした。

4/16(土)・J1−第6節・鹿島アントラーズ戦 2005年4月16日(土)22時33分41秒 deletemodify

首位決戦と言う事で、気合いが入ったハズの戦いだったけれども2−4。
この結果は、正直言うと仕方の無い面もあるかなと思います。正直、水曜日にアドレナリン出まくりの磐田戦をこなして、あの試合と同じだけの動きをしろって言うほうが無理。もし、同じ内容で毎試合戦えるとしたら、人としての体力を疑いますって、正直。

そういうウチの事情を知ってか、鹿島の戦い方は実に無駄が無かった。
前半から、再三ピンチを招いて、ストヤノフの必死のクリアに2・3度救われていたジェフ。動きには切れが無く、鹿島はプレッシャーがかかる前にボールを悠々と回すことが出来ていた。もちろん、(選手がこれだけ入れ替わっても)それが出来る技術を持ち合わせている鹿島はさすが。前節は見ていないが、大宮もこのパス回しに体力を奪われた事だろう。ジェフの選手達が無理やりに身体に鞭を打って駆け寄れば、かわされ、体力はさらに失われていく。
でも、苦しい展開の中でもリスクを負って攻めて行くしかないのが今のジェフのやり方。この「リスク」の部分は好結果が続く中ではクローズアップされないが、今日のような劣勢の中ではありありと曝け出されてしまった。普段なら、誰かが攻めに出た後の「穴」に素早くカバーが入るんだが、それが一歩・二歩遅い。結果、鹿島はジェフが攻める為に空けた「穴」を突いて、チャンスの山を作り出した。阿部が試合後に語った4−4−2との噛み合わせの問題も少なからずあるのだろうが、そこを狙い続けられた。WBの後ろのスペース、そこを何度使われたか。よく研究して来ている。狙いは徹底していた。

1−1と拮抗した展開の前半も、大筋の流れは鹿島だった。
そして、後半になってストヤノフが一発レッドを食らって、完全にバランスを崩してしまった。退場になった際に、ジェフは阿部をリベロに下げて坂本をボランチに、羽生を左翼に配置するシステム変更を行ったのだが、これが裏目に。
特に、左翼の羽生は、鹿島の新外国人DFアリに全く対応することが出来ずに、ただただ振られて抜かれるばかり。右の水野も援護を失って、サンドバック状態になってしまった。これを見て、オシム監督はまず右の水野をフィジカル的に耐えられる山岸に代えて立て直そうとしたが、その山岸をアップしている最中に2点目を叩き込まれてしまった。鹿島にしてみれば勝負をかけた時間帯、その意図が的中した瞬間。ジェフにしてみれば“もう一つの”「グラスが割れた」瞬間だった。

この後、さらに3点目を奪われて試合の大勢は決することになる。
交代は、山岸→水野。そして、羽生→結城。この交代で阿部がボランチに坂本が左翼に戻っている、いずれも、サイドを立て直そうとする意図。結局、ストヤノフ退場後の混乱に耐え切れず、立て直すのに手間取った事が試合を決めてしまった。

この後、ハースのビューティフルゴールで1点を返すものの(この人は、どうして難しいシュートの方が入るのだろう・・・)、さらに1点を加えられて撃沈。最後まで諦めずにチャンスを作ったが、どうしても最後の精度が足りないままだった。鹿島が決めるべきところで(ギリギリでクリアした3発のシュートを含めて)枠に入れてきたのに対して、ジェフはそういう基本的な部分も足りないままだった。

結果として、首位・鹿島との勝ち点が「7」、3ゲーム差にまで開く痛い敗戦になってしまったが、長丁場と割り切って一戦ずつ勝っていくしかない。
次節はストヤノフが出場停止で苦戦は免れないが、この敗戦で磐田戦での浮かれた空気を払拭して、集中して清水戦に臨みたいものだ。

4/13(水)・J1−第5節・ジュビロ磐田戦 2005年4月15日(金)0時30分20秒 deletemodify

熱い気持ちになった。
目の前で繰り広げられる逞しいジェフのサッカー。燃え上がるスタンド。スタジアムに駆けつけたサポも、来れなかったサポも、誰もが気持ちは一つだった。悔しくて、寂しくて、苦しかったあの日を乗り越え、ジェフに残った選択の正しさ、俺達のサッカーの強さ、想いの強さをぶつけた戦い。
見たか山本ジュビロ!これこそが俺達が誇る“ジェフユナイテッド”だ!


試合前から、ジェフサポのこの一戦に賭ける想いは尋常ではなく強かった。
平日にも関わらず、後援会のバス3台。その他クルマや電車を乗り継いで、千葉・東京から関西から、果ては昨日は仕事で海外に居たと言うサポまで。多くのサポーターがスタジアムへ駆けつけ、開門前から列を作った。



対する磐田の空気は安穏としたもの。負けが混んでいるとはいっても、危機感のカケラも無い。AWAY側のスタンド近くに貼られた、村井と茶野の断幕が、この試合への因縁を感じさせるくらいだ。
この時点で、勝負は決まっていたと言っても過言ではない。

開門してしばらく。ピッチに磐田の選手が姿を現す。テレビで、雑誌で散々サックスブルーのユニを来た彼らを見ていたはずなのに、どうしようもない感情の渦が押し寄せてきて、何かが切れた気がした。「ああ」と、ため息を吐いた後、すぐにブーイングに声は変わった。伝わらなかった想いは、もうピッチでケリをつけるしかないんだと、この時本当の意味で自分の中で二人の事を吹っ切る事が出来た。



村井・茶野・ヨンスのコールに続いて起こる激しいブーイング。
この日だけのために用意されたサポソン。
「絶対に勝つ」と言う強い気持ちに、ゴール裏は一つになった。そして、俺たちの選手が姿を現す。大歓声。一人一人の名前を呼ぶ。復帰の山岸に大歓声。スタメンも、サブも、帯同のタッキーと中島も、そしてオシム監督の名も。手を叩き、アタマを下げ、応えてくれる選手たちに、さらにコールで応える。磐田を圧倒する声援が、まだ人もまばらな磐田スタジアムに響いていた。


昼間の暑さが、ひんやりとした空気に変わる頃。いよいよ始まる戦い。
ピッチに現れた選手たちが、この上なく頼もしい。円陣ダッシュで散らばる選手達を、精一杯の声援で送り出す。

19:00キックオフ。
まずは仕掛けたのは磐田。前節東京戦で少し取り戻したと言われたパスワーク。やはり手ごわい相手なのか、そんな空気を漂わせる。茶野も積極的にゴール前まで進出。昨年までと変わらないアグレッシブさで、ジェフの前に立ちふさがる。櫛野の前に立つヨンスも、相変わらずの存在感だ。

しかし、様子見の時間も長くはなかった。
何故なら、この試合に対して一番気合いが入っていたのは、サポではなく当の選手達だったからだ。5分と経たないうちに、強烈なプレッシングの網が、磐田をズタズタに分断し始める。こんなに気合いの入ったジェフを見るのは初めてだ。一昨年のヤマハの磐田戦も、去年の臨海のマリノス戦も、ここまでの気合いは無かっただろう。スタンドまで、強い気持ちがヒシヒシと伝わるプレー。
球際で身体を張り、2人・3人・4人で囲い込み、ボールを奪うや全選手がゴールへのイメージを共有して一気に反撃に転じる。ダイレクトパスを多用した手数をかけないプレーで、数的優位を常に作って、跳ね返されても二次・三次攻撃を仕掛ける。「個」の力に頼り、運動量も少ない磐田を完全にワンサイドゲームへと押し込む。

先制は、阿部の素早いリスタートから。水野がドフリーで抜け出し、グラウンダーの高速クロスをハースが中央でアウトサイドに引っ掛けて真後ろの勇人へ絶好のパス。これを勇人が渾身の力でけり込む。川口も気圧されたのか、力無く倒れこむのみ。
さらに、セットプレー。ハースのFKを大輔が、まるで中山のような身体ごと押し込むヘッドで追加点を奪う。あっという間に2−0。鬼気迫るとはこう言うことか。「ジェフに残った選手達」の攻撃は全く緩むことなく、元王者を押し込んでいく。

磐田も、村井が強烈な右足ミドルを放ち、鋭いアーリーでヨンスを狙うが、如何せん単発。櫛野が野性的なセービングでゴールを死守し、素早いスローイングでチャンスを演出する。

対決が注目されたサイドも、前半半ばにはもう勝負がついていた。
西は、坂本のディフェンスに苦しみ、耐えかねて軽いプレーに終始。前半でベンチへと追いやられる。そして、ジェフの右サイドでは徹底した村井潰しが敢行されていた。主役となったのは水野。持ち前の攻撃力を前面に出して、常に勝負の姿勢でウラをつく。トラップがいいから、動き出しが早い。周囲もキレのある水野を意図的に使おうとしているのがハッキリわかる。勇人・羽生・巻らの援護を受けて、常に勝負の場面では数的優位が作られた。
村井は、もはや守備でも追いつかせて貰えない状態。危険なハズの右は、最大のチャンスを作り出す場となっていた。

磐田は、サッカーそのものを封じられ、まるで別のチームと戦っているような印象すら持った。ヨンスも、中山も何も出来ない。今日に限れば、中山よりもジェフの全選手は気合いが入っている。

圧倒的な展開のまま。長いようで短い前半が終わった。
「おし!」と思う自分を抑えて、「まだ0−0と一緒だ!」と気持ちを落ち着ける。何も終わっていない、これからが勝負だとみんながわかっていた。

気合いを入れ直した後半。アクシデントは突然訪れた。
右から羽生が崩しにかかり、これを茶野が引っ張って2枚目のイエローで退場。阿部に慰められ、ピッチを後にする茶野。後姿が寂しい。とにもかくにも、これで11人対10人。菊池を河村の負傷で既に使っている為、服部を下げて穴を埋めようとする磐田。これで中盤はいよいよスカスカになり、「蹂躙」と言う言葉がピッタリ来るような展開になった。
そうこうしているうちに、前線で孤立していたヨンスが、ついにカレンに交代。結局、ヨンスもまた、何も出来なかった。

勢いのまま、3点目を突き刺したのはジェフ。
「次の1点を相手に入れられたら、相手は生き返る。もう1点取る気持ちでいこう。」
オシム監督の言葉に後押しされるように、右から崩した巻のクロスは、村井に当たって羽生の足元へ。これを倒れこみながら流し込んで勝負を決める3点目。笑顔でゴール裏へ歩み寄る羽生を、すべての選手が祝福する。歌い狂うオブラディ、「もっと!もっとだ!」とスタンドを煽る勇人、この試合にかけた想いが爆発した瞬間だった。

その後、カレンに1点返され、決めなくてはいけないチャンスを外し続けたのは課題だったが、試合が終わる前に磐田サポを家路につかせ、試合内容でも応援でもすべて圧倒した最高のリベンジだった。山岸の復帰までオマケにつく完璧な一戦。終了の笛が鳴り、うな垂れる村井と入れ替わりに、俺達の選手がやってきた。

 

でんぐりに、大歓声。誰もが、最高の笑顔で出迎える。勇人がまた煽る、阿部が「見たか!」と大きくこぶしを突き上げる。
ああ、お前ら最高だぜ、信じてたよ。お前らを!

 

そして、ああ畜生。山本!
10年育てた村井と茶野をこんなにしやがって。。。でも、ヨンスも含めて、今日が区切りなんだ。大好きだったぞ、3人とも。これが、お前達と一緒に作りたかった、ジェフのサッカーだ!

このチームを信じた全ての人の力で掴んだ大きな一勝。
一番気持ちが入っていただろうオシム監督。この試合の間、ずっと立ちっぱなしだった。監督が絶賛した展開。誇るべき指揮官の下でジェフはまた一つ強くなった。だからもっと皆で彼らを応援しよう。このチームは、かけた期待に応えてくれるチームへとなったんだ。
さぁ、次は首位・鹿島戦。今日、ここへ来れなかったサポーターも一緒に、黄色く染まった国立で、さらに上を目指そう!

4/9(土)・J1−第4節・大分トリニータ戦 2005年4月11日(月)0時8分24秒 deletemodify

水本の交代にオシム監督の采配の妙をみた。
開始早々に失った2点、そこに絡んでしまった水本。わずか10分での交代がチームのバランスと、心を巧みに立て直した。

ブラジル遠征での疲れ、練習試合での負傷を引きずり、大分のドドの強襲をまともに受けてしまった水本。こんなに早い交代は彼自身初めてだろう。うな垂れてベンチに座り込んだ彼にとっては、忘れられない試合になったはず。同時に、監督がこの交代で伝えたかったメッセージは、「反骨心」として彼をまた成長させるだろう。

2点を失ったジェフ。
しかし、前節に垣間見せた連動性の高いジェフらしいサッカーは健在だった。水本の交代でチーム全体に緊張感と集中力が宿り、一気の反撃に出る。ハースにボールを預け、両翼がサイドを抉りにかかる。ゲームが落ち着かない、まだ序盤の時間帯。坂本のライナークロスに合わせて飛び出したのは、待ちに待ったハースの一撃だった。軽くコースを変えるだけの、スピードを殺さないヘディングシュート。すぐさま1点差に追いつく。

大分は運動力が足りない。ここからは一方的なジェフペースだ。
15分過ぎぐらいまでにディフェンスにバタつきもあったが、時間の経過と共にゲーム全体を支配していく。結城の惜しいヘディングシュート等でチャンスを作り、長短のシュートを交えて揺さぶりをかけていく。39分のハースの同点弾も、左に流れた巻がDFを釣り出して作ったスペースに潜り込んで決めた、全員のゴールだった。

こうなるとさらに運動量の差が付く後半は差が付いて当然だ。
運動量で、判断の速さで上回るジェフはさらに畳み掛けた。

そして、この日のハイライト、阿部の一撃が勝負を決める。
ゴール左、遠いところから狙ったFKは、矢のように左隅に突き刺さった。これまで、黄色いユニフォームの時には決めないと言われていた阿部が、既に今季はFKで2得点。頼もしき主将の、美しい一発で、完全に大分の気力を殺いだ。

この後、ハースや羽生、結城が決めるべきシュートを決められずに課題は残したが、守備でも要所は櫛野が締め、後半41分には羽生が倒されて得たPKを阿部が決め、終わってみれば4−2の完勝。水本の心を先輩たちが救い、そして水曜日に控えた磐田戦へ向けて、弾みをつけることが出来た。

試合を追うごとにチームとして噛み合ってきた。待望のハースのゴールも出た。
阿部も5戦連発6ゴールと絶好調だ。最高の状態で、もっとも勝ちたい相手と戦える。
今こそ、ジェフのサッカーを見せ付けるとき。ジェフがジェフである為に、さぁ磐田戦だ。

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PBS v.1.01