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4/3(日)・J1−第3節・東京ヴェルディ1969戦
2005年4月9日(土)2時39分19秒
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『激戦』だった。
ジェフが今出せるものを出し切る事が出来た試合。けれども、ほんの少しの運と精度が足りずに、待望の今季初勝利を掴む事は出来なかった。
ハースが、ストヤノフが欧州から戻り、水本・水野が南米から連戦をこなして戻ってきた。普通に考えれば、疲労・時差に苦しめられるはず。けれども、そんな不安はよそに、逞しい戦いを選手たちは見せてくれた。試合開始時からエンジン全開。昨年1ST第2節の横浜戦を髣髴とさせる、強烈な前線からのプレスでヴェルディを圧倒。
素早いリスタートから、ハース→坂本→勇人のスルー→巻で、ものの1分であっさりと先制点を奪う。その後も攻勢は衰えず、そんなに飛ばして後半もつのか?と心配するような運動量でヴェルディを陣内に釘付けにする。そして、15分にはハース→阿部で追加点を奪う。
完全なジェフペース。戦前、かなりの強敵と見ていたヴェルディだけに拍子抜けの展開。大勝の予感すら漂う。
ところが、この日のゲームはここからだった。
警戒していた左の相馬からの何でもないクロスに、小林大が見せたのは10年に一発出るかどうかわからない、ほとんど角度ゼロからのスーパーボレー。逆のポストに当たって、ゴールに飛び込んだ。狙って撃ったわけじゃないだろうが、その鮮やかさにしばし唖然。おそらくは、フィールド上の選手たちも同じような心持ちだったのだろう、目に見えて集中力が欠けて動きが緩慢になる。
そのスキに、(ボールがサイドを割ってたと思うが)再び相馬が上げたクロスがフリーでノーマークのワシントンの前へ。これを櫛野が倒してPK、決められてあっという間に同点となってしまう。ここでまだ前半30分。
この4点でようやく、“キックオフ”になった。
両チームが、我に返ったように持ち味をぶつけあって行く。ジェフはもう足が動かなくなるまでのプレス、二列目・三列目の攻撃参加。この日は、面白いように巻のポストと、ハースのキープが機能する。前線の基点を2箇所も得て、後列はアタッキングゾーンへ次々と飛び出していった。特に羽生は幅広い動きで、ゴールを強襲する。
押されているヴェルディも、ワシントンがやはり存在感を見せる。動かない。けれども、ボールが渡れば仕事は必ずすると言った空気が漂っている。左の相馬をはじめ、各選手がこのワシントンめがけてボールを送ってくる。斉藤・ストヤノフが受け渡しながらマークし、ギリギリのシーンではストヤノフがスピードで何とか応対する。
ヴェルディの攻め手は単発ながら、非常に「怖さ」のあるカウンターとなっていた。
それでも、決定機はジェフの方が勝っていた。
羽生が飛び出した2回の1対1、大輔のダイビングボレー、ハースのミドルシュート。そのどれもが、相手GK高木のファインセーブに遭ってしまう。特に後半15分前の攻勢はさながら絨毯爆撃のような波状攻撃で、何点入ってもおかしくない攻めの姿勢を貫き通した時間帯だった。
そこまで攻めながら、最後の一撃が出なかった事で、残りの時間帯はスリリングなノーガードの打ち合いになってしまった。それは、決して望んだ展開ではない。飛ばしに飛ばした結果、時間と共に運動量はが落ちてしまっての終盤の打ち合いだった。交代のカードが遅くなったのも、噛み合っているメンバー、試合展開の中で何とか1点をもぎ取って逃げ切る体制を作りたかったからだろう。
試合が終わった瞬間、勝てなかった事にうなだれ、疲れに立ちすくむ選手の姿があった。全力を尽くしたことを解っているスタンドからは、温かい声援が飛んだ。
開幕3試合で3引き分け。勝たなくてはいけない展開での2引き分けは正直、痛い。けれども、自分たちのサッカーに自信を宿し始めた今は、2001年の1STステージに似ている。あの時は3連敗、あそこから持ち直した。まだ3試合とは思えない、1つの結果に対する強い悔しさは向上心となって実を結ぶだろう。あと少しで結果は出る。そのときこそ、この疲れを心地よいものとして共有しよう。いよいよ始まる連戦を前に、チームとしての戦い方がハッキリと見えた価値ある一戦だった。
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3/26(土)・ナビスコ杯−第2節・柏レイソル戦
2005年3月28日(月)0時49分40秒
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試合前、J's GOALのスタメンを見て絶句。
DF市原充喜
DF中島浩司
DF結城耕造
いや、こう言うパターンもあるんじゃないかとは予想はしてたが・・・まさか一週間前のサテライトと同じメンバーになるとは。かつて茶野にリベロやらせて、阪南大に6点ブチ込まれたTGがあったが、それを上回るある意味「危険な」DFラインだ。なんと言うか、「怖いもの見たさ」で妙にわくわくして来る。もう周りとも「やべーよ」ぐらいしか口にしない(苦笑)何せこの3人、札幌のサテ相手でも結構ピンチを作られていたんですから。加えて審判はジョージ。PKの2つや3つはこの時点で覚悟。
試合で奮闘する彼らには申し訳無いが、レギュラー3人が欠けた途端に、本職のDFが一人しか居なくなってしまう選手層はやはり問題。FWがダブついているのを見ると、どうしてもバランスが悪く感じてしまう。
スタメンはこのほかは大体予想通り。右に羽生が入り、トップ下は工藤。FWには林が先発する。これまでだったら確実にリベロに阿部を下げていただろうから、オシム監督の頭の中では考え方のシフトがあったはず。ここまでの数試合を見る限り阿部の動きが特に攻撃展開面で際立っていい。この阿部を活かして「攻め勝つ」には、彼をDFへ下げる事を止めたのではないかと推測する。
試合が始まってみると、やはりDFは急造の感は否めない。
こういうとき、もう少し耕造あたりがリーダーシップを発揮してくれるとありがたいのだが、DFにボールが戻ると3人が3人とも一番後ろでボールを回すばかり。守るのにいっぱいいっぱいで、全く前にボールを運ぶことが出来ないのだ。おっかなびっくりで、相手FWがプレスにくると「うわぁっ!」と言う感じで隣の誰かか、GKに戻す。
それを見逃す柏でも無い。最初っから全開で攻撃を仕掛けてきた。単純に脆いDFには、これがホントによく効く。危なっかしいクリアのし損ないをシュートまでガンガン持っていかれる。とても、中盤までで相手を止めて、守備することなんてやりきれない。けれども、相手の精度が低いこともあって、なんとかかんとか攻撃を受け流す事は出来ていた。
15分が過ぎ、ようやく試合展開が落ち着いてくる。柏も攻め疲れが出たのだろう。
このあたりから、少しずつジェフにもチャンスがやってくるようになる。阿部を起点にして、巻や両翼に預けて、相手のディフェンスに揺さぶりをかける。前線にさえボールを運ぶ事が出来ればほとんどトップメンバー、ペースは握れる。
セットプレーも今日と言う日は阿部が中心。CKもほとんど蹴って、少ないチャンスを作り出す。25分過ぎ、いい位置でのFK。強烈なカーブがかかったが、これは右上に外してしまう。スタンドからは大きなため息。
しかし、見せ場はもう一度やって来た。その約5分後には、先ほどよりやや左側からのFKを、今度は左上隅に決めてみせる。やっぱり阿部はキレキレだ。オブラディも復活して、チーム全体がイケイケになる。
先制の後もジェフペースが続いた。
羽生のシュートを、さらに巻がシュート、GKも破る惜しいシーンもあったが、これはすんでのところで柏DFにクリアされてしまう。結局、こうしたチャンスを決められなかった事が、後半に響いてしまった。
後半、柏は案の定、矢澤を投入してきた。
違うのは、前回は4バックから3バックに変化したが、今回は3バックから4バックに変化してきたこと。今回こそは落ち着くまでしのぎたかったが、今回も変化に対応しきれない。開始早々守備が決壊する。ミツキが崔成国を捕らえきれず、ペナルティエリア内で倒してPK。これをクレーベルに豪快に決められて同点。開始前に織り込み済みのPKだが、この時間帯は正直痛い。
同点の後は攻め合いになる。シュートは、柏の方が多い。
ジェフのシュートが少ないのは、土屋が左右上下構わず当たりに来ていて、これがウザいことこの上無いからだ。しかも、全然ファウルの笛が吹かれない。どうみても、バックチャージなんだが、ボールは常に柏のボールになるようにジャッジされる。これも、ジョージのゲームなのだから、ある程度は覚悟していたがリズムが作れない。
時間が徐々に無くなり、少しずつリスクを冒し始めるジェフ。勇人のポジションが高くなり、DFのウラへ突破するシーンが多くなる。羽生やミツキが強烈なシュートを放つが、どうしても最後の精度を欠いて決められない。
FW高橋、MF滝澤の投入も決定的な打開策にはならずに、いよいよ焦りが募りだす。
そうこうしているうちに、セットプレーのクリアが枚数の薄くなったジェフサイドへ上がる。このボールの処理を坂本が誤り、中島もスライディングするが止めきれない。そのまま持ち込んだ崔成国が、増田にパスを出し、フリーで決められて失点。結果的にこれが、臨海不敗の記録を止める1点になってしまった。
正直、このメンバーでここまで耐え、攻めるとは思っていなかったし、予想を上回る善戦だった。それだけに、あと少しで勝ち点を奪う事が出来たなら、より大きな自信を得られただろう事が残念でならなかった。
課題は明確、このメンバーでやらなくてはならなかった選手層だ。サテライトに永輔とメグさんが居た頃と比べれば、明らかに「層」が薄くなっている。タイトルを狙うと言うのなら、こうした不測の事態にも対応できるチームとしての体力を養わなくてはならない。それが、育てるしかないのなら、決して今日の敗戦は無駄にしてはならない、経験として積み上げねばならない敗戦だ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【布陣】
−−−林−−−巻−−
−−−−工藤−−−−
坂本−−−−−−羽生
−−阿部−−勇人−−
−市原−中島−結城−
−−−−櫛野−−−−
サブ:GK立石、MF楽山、MF滝澤、FW要田、FW高橋
【選手評価】
<スタメン>
GK櫛野:PKと2対1のプレーでは止めろと言うのが無理。安定していた。
DF結城:当たりは強いが自信は乏しい。専業DFの彼がリーダーシップを発揮しなくて
は。いい加減、新人のようなプレーぶりから抜け出て「安定感」を見せて欲しい。
DF中島:リベロ先発を目にした時には卒倒しそうになったが、予想以上に無難にこなし
ていた。セイフティ・ファースト。最後の崔成国は止めたかった。
DF市原:おっかなびっくり、ボールを持てば後ろに戻すだけ。もっとボールが来る前か
ら次のイメージを持ってプレーを。判断が遅すぎ。後半のシュートは、やっぱFW。
MF阿部:FKだけでなく、随所でチームを引っ張った。キレキレ。クレーベル相手だと
体格的にややツライものがある。
MF勇人:守備から入っていたが、後半は攻めざるを得なくなって縦突破多数。点にはな
らなかったが、攻撃への意識のシフトがジェフの攻撃を勢いづかせた。
MF羽生:右WBだが、突破力に乏しく止められまくり。持ち味が消えかかってしまって
いる。飛び出しのタイミングはいいのだが。
MF坂本:攻守に奮闘したが、崔成国に渡してしまったトラップミスは痛い。スタミナを
使い過ぎて、疲れから足元にボールを押さえる事が出来なかったのだろうか。
MF工藤:消えている時間も。この日は、あまり決定的なシーンに絡めなかった。
FW林:ボールが回って来ずにイライラの募る展開。
FW巻:こちらもあまりボールが回らず。ポスト役としても充分に機能できなかった。
<交代出場選手>
FW高橋:出場時間が短く、評価できない。
MF滝澤:出場時間が短く、評価できない。
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3/20(日)・サテライト・コンサドーレ札幌戦
2005年3月20日(日)23時20分51秒
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千葉5(3−0、2−1)1札幌
【得点】高橋、要田(PK)、川淵、OG2
【前半】
−−要田−−高橋−−
−−−−楽山−−−−
滝澤−−−−−−藤田
−−瀬戸−−芳賀−−
−市原−中島−結城−
−−−−立石−−−−
【後半】
−−要田−−高橋−−
−−−−楽山−−−−
滝澤−−−−−−藤田
−−結城−−中原−−
−竹田−中島−市原−
−−−−立石−−−−
交代:楽山→川淵、要田→金東秀
(高橋がトップ下に下がり、川淵・金東秀の2トップ)
【寸評】
ゲーム全体を通して連動性という面ではいまひとつ。5得点取ったものの、1PK・2OG、川淵の得点はショートコーナーからと、流れの中で奪えた得点は1点のみ。決めなくてはならないチャンス、シュートで終えなくてはならない場面が多数あり、攻撃面での課題はまだ大きいと感じた。
反面、個々の選手では時折可能性を感じるプレーもあった。
高橋のシュートセンスや、滝澤の大外を回りこんで「追い抜く」動き、中原のボールさばきは、トップに上がれる可能性を感じるプレーだった。
一ヶ月前のボロボロのサテに比べると、サイドを活かそうとする意識が高くなり、「こう言う攻撃をしたいんだろうな」と言う形は見えてきている。クロスの精度や、必ずシュートで終えると言うチャレンジする気持ちが強くなれば、攻撃面についてはトップに近いサッカーが出来るだろう。
守備面については、局地戦は向上しているが、まだまだ組織的にプレスがかけられている段階にはない。陣内に攻め込まれたときに、誰が最初に当たりに行くか戦い方の徹底が必要だろう。
<スタメン>
GK立石:1対1、ミドルにも冷静に対応。安定。
DF市原:攻守に成長のあと。攻撃参加したときのマークの受け渡しをしっかりすれば、
やや過剰とも思える攻撃参加も武器になるはず。勝気な性格が、競り合いでも頼もしい。
上手く成長すれば、大さんのようなDFになれるはず。
ただし、相変わらずバックチャージ気味のプレーが多いのは頂けない。
DF中島:このレベルの中では「上手い」と感じる。WBへの長いフィードボールも何本
か通し、視野が広くなり、長いパスの精度も良くなって来た。怖い横パスで何本もひやひ
やさせられた。DFの時くらいはセイフティーに。。。
DF結城:前半はストッパー、後半はボランチ。トップ経験者として、これくらいの相手
なら弾いて欲しかったが、キープして戻す場面が目立った。積極性を。
MF瀬戸:久々にDFから中盤に戻ったが良いところが無かった。何でもないパスをカッ
トされ、ピンチを招くことも。前半で交代。
MF芳賀:ボランチの位置だと、得意ではない守備に追われてあまり目立たない。つまり、
ここをやらされていると言うことは、首脳陣は守備面での貢献が課題と見ているのだろう
か。
MF滝澤:だいぶフィットしてきて、ジェフらしい動きが出来てきた。FWが要田+高橋
と、わかりやすいターゲットが居ないためかクロスは効果的とは言えなかった。反面、シ
ュートをミドルから狙っていく積極性も。トップでまた見てみたい。
MF藤田:ポジション取りは実に良い。チームとしても、フリーで構える藤田を使う意識
が徹底していた。反面、絶対的なスピードやドリブルテクニックがあるわけではないので、
いいクロスが上げられない。WBとしては、何か一工夫が必要だ。
MF楽山:希望のトップ下だったが、サイド攻撃が主体であまり目立たなかった。
高橋の1得点目をアシスト。
FW要田:頑強な肉体でポストプレーをこなす。PKを取った場面をはじめ、地味ながら
にも体を張って貢献。流れの中でシュートをもっと撃ちたかった。
FW高橋:いま、サテライトの中では一番得点の匂いを感じる。「点の獲れる」FWとし
て、次節でチャンスを与えても良いんじゃないだろうか?
<交代出場>
GK岡本:失点場面はノーチャンス。その他の場面も安定。
DF竹田:後半からストッパーに。専業DFらしく安定したプレーぶりで、相手選手のマ
ークや、ミツキのオーバーラップしたスペースのカバーなどを行っていた。派手さは全く
無いが堅実な印象。
MF中原:ボールタッチが面白い。アイデアのあるパスが出せる選手だと改めて思った。
体がまだ出来ておらず、180cmあるはずだが小さく感じる。体が出来ていけば、攻守
に存在感のあるボランチになれそうだ。
FW川淵:回転半径の小さい、速いシュートで1得点。彼もFWらしさがある。
FW金東秀:ちょうど巻のようによくボールを追っかける。ジェフのFWらしいと言えば
らしい動きをしている。抜け出した1対1をポストに当ててしまったのが残念。試合中は
別人になるくらい獰猛になって欲しい。
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3/12(土)・J1−第2節・柏レイソル戦
2005年3月14日(月)20時40分54秒
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「今日はポカポカ陽気のはずじゃなかったのかよ!?」
そう叫びたくなる寒空の臨海。強風に加えて夕方前には雨もパラついて、折角のホーム開幕戦も出足が鈍い。サマナラのカレーででも体を温めなきゃやっていけない天気。いろいろ手を打っての6600人には正直凹むけど(※雪のビッグアーチは15,000人!、豪雪の新潟は35,000人。。。)、現実は受け止めてやってゆかないと・・・。
前節名古屋戦で既に一体感を取り戻していた応援は、ホームのサポーター向けにハレルヤとグリダーレから説明があった模様(別の用事で外していて説明は最後の2〜3分しか聞けなかった)。試合中は“フルーツバスケット”のような感じでハレルヤ・グリダーレが入り混じって応援をしていたので、まずは良い方向に向かったのかなと一安心。
さて、今日のメンバー。前節から負傷の水野に代わって工藤が出場。
ただし工藤がオフェンシブで、羽生が右サイド。それ以外は変更なし。柏は前回と同じく4バックの基本布陣。主審は“俺が正義だ「ジャスティス」”の二つ名に、“ゴッドハンド”が加わって凄みが増した岡田・・・またか。風はジェフのゴール裏から、柏側に向かって強く吹いている。序盤、珍しく大さんのところでボールが落ち着かずに焦らされたが、時間の経過と共に風上のジェフが攻め立てる展開が続いた。
左右のWBを使いながらの波状攻撃。前節でも「案外サイドからの攻めが出来てるな」と思ったが、今日もなかなかキレがある。「追い風参考」の速い展開で、ゴール前までボールが運ばれる。右では羽生・工藤・勇人が、左では坂本・阿部あたりが基点。追って、囲んで、奪って、走る、ジェフらしいサッカー。柏ボールになっても、風がボールを押し戻す。南が蹴るボールは右へ左へ切れ、あるいは煽られて柏陣内に戻って来てしまう。
流れのままに、先制点はジェフに。ボールを奪った阿部が左から右へ糸を引くようなスルーパス。「阿部のパスが全て(巻)」だったチャンスを、巻が強烈なノートラップシュートで叩き込む。理想的な展開。その後も攻め続け、前半は圧倒的にジェフの攻勢だった。
ところが、好事魔多しとはよく言ったもので、前半も終わろうかと言う時間帯にクレーベルにヘディングを決められる・・・いや、決められたんだけれども・・・あまりに誰もマークしていなくて、あまりに「ぼよよん」と言う音が聞こえて来そうな山なりのシュートだったので、なんだか決められた気がしない。
「はぁ?」「今の、ゴール?」「なんでマークいないの?」周りにいたメンツも、悔しさとか、ミスを罵倒する空気も無くて、きょとんとしてしまった。後からビデオを見れば、強風が押し戻したボールが絶好のクロスになってしまった事と、クレーベルを捕まえきれなかった中盤〜DF陣のマークミスなんだが、全く想定外のゴールだった。
柏のサポーターも少ししてから喜び出し、ジェフサポも「いかんいかん」と首を振り、我に返った感じだった。
ぽっかりと空いたエアポケット。妙な空気のまま、後半が始まる。
柏は、風上を最大限活かそうとしたのだろう、安永と中沢を下げ、山下と矢澤を投入。ディフェンスを一枚削って3バックにシステム変更して攻撃に転じた。早野監督らしからぬ、思い切りのいい決断だった。その攻めの圧力に気圧されたのか、開始直後の坂本のクリアが風に煽られてオウンゴールになってしまう。あっという間の1−2、逆転。こんなロクに攻められてもいないのに短時間で逆転されるゲームはちょっと記憶にない。
「やられてない」と思ってもスコアは1−2。攻めるしかない。しかし逆風。前半の柏が苦労したように、なかなかいい攻めが出来ない。ようやくCKから巻が倒されて得たPKを阿部が「自分が蹴る!」と進み出て同点。まだ同点。。。
柏の攻勢が一段楽してからは、攻め手が無かったわけじゃない。前半からハースが良い動きで柏のDFラインの裏を衝いていた。しかし、そのどれもがオフサイドになる。なんだ?あのバックスタンド側の線審!?明らかに一旦戻ってラインの後ろから飛び出しているのに、だ。何度もそれが繰り返されれば、ハースもいい加減リズムが崩れてくる。集中力が切れて来る様子が、時間と共にありありと分かった。
時間は後半30分を過ぎ、徐々に残り時間が短くなる。
ベンチはここで切り札・林を投入。羽生に変えて、右から勝負を決めようとするが、サテでもコンディションがいまいちだった林は決定的な仕事をする事が出来ない。最終盤でハースの足が止まっていた事を考えると、ここはハース→林にして、滝澤を左、坂本を右・・・と言うのも見てみたかった(その場合は、滝澤とキレのあった柏の矢澤が対面するリスクを負うのだが)。
坂本が倒され、あわやPKと言うシーンもあったが、前節“ゴッドハンド”で総スカンを食らっている岡田主審には、2本目のPKを取る勇気は無かったようだ。そのままタイムアップ。勝てるゲーム、勝たなくてはいけない昨年最下位チーム相手の取りこぼしだった。やっぱりこういう試合は過程はどうあれ、モノにしてゆかないと。。。
変わりない運動量は頼もしかったが、同じ追い付いての同点でも今日は歯切れが悪い。
アクシデントに近い形で失った2点を、取り返すだけの攻めの正確性とバリエーションが無かった。決めなくてはいけなかったシュートも何本もあり、自分達で勝利を手放してしまった。1失点目を例に挙げるまでもなく、コンビネーションの問題は大きいけれども、この試合に限って言えば、2点を失っても3点・4点を奪って勝てる試合だった。
「優勝」ジェフが掲げるべき目標を掴むには、ここで足踏みはできなかったはずだ。
リーグ戦は一時中断し、ナビスコに入る。
この日、まだ噛み合わなかったハースが代表戦で抜けるのが痛い。少しでもコンビを高めたかったのだが・・・。ハースについては、上でも書いたように前半〜後半半ばまでの動きは決して悪くなかった。オフサイドの判定が下らずに抜け出ていれば、ゴールできただろうシーンがいくつもあった。
ただ、問題だと思ったのは試合後。チームメイトがゴール裏で挨拶をしようとしている時に、一人だけファンに一人一人タッチをしてゆき、サインをする姿。勝ち試合ならいい、ファンを大切にする姿勢、初めてのホームゲームでファンへの顔見世もあっただろう。
けれども、内容には決して満足が出来るものではなく、ましてや主将の阿部が他のチームメイトが整列して挨拶をする中で、一人だけその対応はまずいんじゃないか。スタンドプレーと思われても仕方が無い。団体行動が取れなかったハースに、「ベテランなのに空気が読めないのか」と疑問が起きてしまった。こういう、フィールドの中以外でも「チーム」として一つであって欲しいと願う。
最後に柏だが、後半に思い切りよく3バックにして来た決断と矢澤を中心にしたサイド攻撃は、ちばぎんカップとは別のチームのように思えた。リカルジーニョと崔成国がいれば、中央とサイドで危ないシーンもかなり作られたかも知れない。
大野→玉田のラインが怖いと思っていたのだが、この日はさほど繋がりを感じる事は無かった。リカルジーニョと言うパスの出し所・落ち着き所がある時は、この日以上に玉田には注意しなくちゃいけないだろう。再来週に対戦するときには、ハースやストヤノフが欠ける可能性もあるので、守りには十分注意したい。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【布陣】
−−ハース−−巻−−
−−−−工藤−−−−
坂本−−−−−−羽生
−−阿部−−勇人−−
−大輔−スト−水本−
−−−−櫛野−−−−
サブ:GK立石、DF結城、MF中島、MF滝澤、FW林
【選手評価】
<スタメン>
GK櫛野:2失点はこの日もノーチャンス。ピンチでしっかり押える安定感はさすが。
フィードが風に流されるシーンもあったが、素早いスローイングで試合中に修正した。
DFストヤノフ:可もなく不可もなく。終盤、攻撃参加をかけるのも名古屋戦と一緒。
DF水本:いきなりイエローも、残りの時間は玉田を封殺。フィードには安定感を欠いた。
DF大輔:序盤、珍しく不安定さを露出。風に戸惑ったか?
MF阿部:先制点を呼んだ速さのあるスルーパスをはじめ、攻守に安定感があった。
後半のPKを自ら蹴ったのは主将としての責任感の表れか。
MF勇人:守備に奔走。惜しいシュートもあったが、枠をとらえきれなかった。
MF羽生:前半は右からの攻撃で柏を再三脅かした。逆に後半はいまいち攻めきれず交代。
MF坂本:OGは仕方ない。それよりシュートは例えオフサイドでも枠に。時間も少なく
なってからの突破はPKにならなかったものの、好プレー。
MF工藤:ハースへのパス供給を期待したが、チャンスはあまり作れなかった。
FWハース:不可解なオフサイドの判定に悩まされ、空回り。終盤は集中力を切らし、
ボールを追わなくなるシーンもあった。ポペスク合流が待ち遠しい。
FW巻:豪快な先制弾、同点となるPK奪取だけでなく、終盤も運動量が衰えなくなって
来た。スタミナが切れても、ボールを追いかけられるようになった姿勢の変化がいい。
<交代出場選手>
FW林:右WB、もしくは右FWに入ったが、まだキレが今ひとつ。チャンスはあったが、
らしくなくシュートではなくパスするシーンも。やっぱ林はシュートが見たい。
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3/6(日)・練習試合・アルビレックス新潟戦
2005年3月8日(火)2時13分53秒
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千葉0(0−1、0−0)1新潟
【得点者】
なし
【前半布陣】
<千葉> <新潟>
−−要田−−−林−− −−28−−23−−
−−−ポペスク−−− 13−−−−−−20
滝澤−−−−−−藤田
−−中島−−芳賀−− −−03−−06−−
−結城−瀬戸−市原− 04−14−29−07
−−−−立石−−−− −−−−01−−−−
【前半】
千葉:SH08/CK05/FK04/GK02/PK00/OFF00
新潟:SH02/CK00/FK01/GK03/PK00/OFF01
【後半布陣】
<千葉> <新潟>
−ダニロ−−高橋−− −−24−−16−−
−−−−工藤−−−− 13−−−−−−20
楽山−−−−−−山岸
−−椎原−−中原−− −−03−−05−−
−市原−中島−結城− 04−14−31−07
−−−−岡本−−−− −−−−22−−−−
【交代】
後半31分:結城→竹田、中島→松ヶ枝(練習生)
【後半】
千葉:SH08/CK00/FK04/GK05/PK00/OFF01
新潟:SH05/CK00/FK07/GK04/PK00/OFF02
レポートは後日
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