GAME REPORT

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11/20・J2ND−13・ヴィッセル神戸戦 2004年11月22日(月)20時25分25秒 deletemodify

試合後、自然と選手とスタンドが一つの歓喜の輪になった。
屈辱的な室蘭の敗戦から一週間。現地まで飛んだサポが必死に伝えた気持ちを今度こそ選手は受け止めて、本当に価値のある勝利を掴んだ。

試合前から普段の空気とは少し違う空気が流れていた。
室蘭での出来事が、開門前とサポーターミーティングの席上で説明されたが、選手バスの前に「WIN BY ALL」の旗を掲げたあの行動は、「サポも選手と共に戦っている」事を伝えたいその一心であるとの事だった。それが偽らざるものであったことは、この試合を通じて証明されていった。

試合に臨んだ選手達の顔がが、この試合は明らかに違った。
開始から攻勢に出る神戸に怯まず、ガチンコの勝負に出る。往時のキレは無いものの、スタンドまで伝わるガムシャラさがある。13分、阿部のFKが初めて臨海で炸裂すると、直後には勇人が押し込んでみせた。電光石火の先制だった。直後にカズに決められるが、この日の市原は全く怯まない。

ボールを追いかけ、当たり、マイボールにするや一斉にゴールへと向かっていく。
初先発の要田も、ボールの受け方、キープ、連携の全てでレベルアップを見せて攻勢の中で輝きを放ち出していた。こう言う流れの中では、絵に書いたように望んだ通りの展開がはまっていく。3点目は、左サイドからの完璧な坂本のクロスに、水野が矢のように飛び込んで豪快なヘッドを決めて見せた。

後半に入っても、展開は変わらない。
要田がDFに囲まれながら素晴らしいステップで相手をかわしてゴール!完全に試合を決める。トドメは、交代で初出場を果たした芳賀のクロスに勇人が飛び込んで5点目。その後も危なげなく逃げ切って、快勝を収めた。

気持ちで完全に勝っての勝利。こんな勝ち方は、見たことが無い。
敢えて例えるなら、残留戦のそれか。同じくらい、選手達には鬼気迫るものがあった。選手達からは、かけられた期待に応える事の出来た充実感が漂い、スタンドからも大歓声が上がった。陸上競技場であること以上に、何故か遠かったグランドとスタンド。こんなにも近く感じた日は無い。素晴らしい光景だった。

さぁ、これから。これからと言う、そんな空気なのに。
残りは2試合しかないのが、何とも口惜しい。だから残り2試合は、この日気持ちを見せてくれた選手達に応える応援がしたい。もう、このメンバーで戦うのは、あと2試合だけなのだから。

【頂きもの】 11/10(水)・練習試合・立正大学戦 2004年11月11日(木)1時56分43秒 deletemodify

立正大学戦のゲームレポートを頂きましたので紹介させて頂きます。
フォーメーション、得点時間、得点者などは手元の時計の確認とのことです。
レポート、ありがとうございましたm(_ _)m

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1本目 40分 ○2−0

−−07−−31−−

−−−−29−−−−
11−−−−−−02
−−06−−15−−

−03−05−27−

−−−−17−−−−

3が戦列復帰、ほぼ全快と言っていいでしょう。
トップメンバー主体の1本目、7をFWに上げ、31をDFからFWに戻しての2トップを組んでいました。40分間通して、この2トップの攻撃、というよりも、中盤、またはDFから飛び出してシュートを狙うサッカーを展開していました。
しかしその一方で、カウンターを取られる場面が多かったです。
30分過ぎから、2がボランチ、15がトップ下、29が右サイドに。

<得点経過>
4分 11の縦パスに、飛び出した6がゴール右スミに軽く流し込み先制
36分 右サイドに流れた29のセンタリングを11が左足で決める。

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2本目 30分 ○3−0

−−32−−19−−

−−−−26−−−−
23−−−−−−25
−−15−−24−−

−03−14−28−

−−−−01−−−−

19は練習生(※中原(Onlineより))。FWに入ったものの開始直後から必要以上に下がってしまうシーンが多く、事実上32の1トップ状態。そのため30分間のうち当初の20分はチャンスらしいものなし。
2本目も立正大のカウンターが目立ったが、奪われたボールを26が激しくバックチャージしてしまう回数が多い。公式戦なら恐らくレッドだっただろう。
24はボランチとして機能していましたが、22分、3→10の交代で10がボランチとして入り24はDFに下がりました。

<得点経過>
20分 26〜25とつないだボールを19がループシュート決める。
27分 25のセンタリングを32決める。
30分 25のセンタリングを26決める。

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3本目 30分 ○3−0

−−32−−19−−

−−−−33−−−−
23−−−−−−25
−−26−−10−−

−14−24−28−

−−−−30−−−−

33=芳賀

<交代>
8分、32→21(要田)

3本目、立正大もメンバーを代えて外国人FWなどを投入してきたものの、明らかに足が止まり始めました。最初の10分はジェフの波状攻撃。その間に32がゴール。19も良い動きをしていました。
その後、立正大の外国人FWの素早いカウンターをファールで止めざるを得ない時間帯もありました。

<得点経過>
8分 23のセンタリングを32決める。
(※Onlineには中原2ゴール、金東秀1ゴールとあるので、中原のゴールか)
23分 25のセンタリングを33がスルー、21が決める。
29分 21のシュート、こぼれ球を25が押し込む。
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11/7(日)・練習試合・大宮アルディージャ戦 2004年11月7日(日)19時36分8秒 deletemodify

市原0(0−0、0−2)2大宮

【得点者】
なし

【前半】
GK立石、DF鷲田・中島・野本、
ボランチ芳賀・結城、左WB椎原、右WB金位漫、
OH望月、FW斉藤正・金東秀

市原:SH04/CK00/FK07/GK04/PK00/OFF03
大宮:SH05/CK07/FK08/GK04/PK00/OFF02

【後半】
GK岡本、DF鷲田・中島・野本、
ボランチ芳賀・結城、左WB椎原、右WB金位漫、
OH練習生、FW斉藤正・金東秀

市原:SH05/CK00/FK04/GK03/PK00/OFF02
大宮:SH04/CK03/FK05/GK01/PK00/OFF01

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サテライトの出来と、怪我人の回復具合を確認しに姉崎へ。
今日のTGは大宮と。以前、大宮公園でサテを見たときにはスピーディな攻撃が印象に残っている。ああ、あの時はサテのFWが巻と林だったんだよなぁ・・・。

メンバーを見るとおりに市原は苦しさを隠せない。
中島をDFに、結城をボランチに置く布陣だが、大宮の組織だった攻守の前に押されっぱなしの展開となる。サイドを崩そうと言う意志は見えるのだが、通ってもクロスが不正確だったりして、なかなか攻めきれない。
それでも前半は、本当に久々にスタメン出場となった望月を中心にチャンスもかろうじて作って、チャンスの数から言えばほぼ並びの展開となっている。望月は周囲の選手にも指示を大きな声でかけて、いつに無くヤル気を見せていた。斉藤正の強烈なシュートも起点は望月だった。

前半はこのまま0−0で終了。
後半開始時に、立石→岡本、望月→練習生。

この交代が響いた訳でも無いだろうが、後半開始早々の6分に左から豪快なシュートを浴びてついに失点。試合展開は相変わらず、大宮ペースが続く。
その中で、練習生の子がなかなか良いプレーを見せていた。奈良の某高校から参加したと言うこの子は、オフェンシブでプレー。判断が早く、サテとは言え市原のゲーム展開の中で十分についていけていた。キープやパス出しにも落ち着きがあり、周囲を十分見渡してから隙があればミドルシュートを放つなど、素材としての可能性を感じさせた。
今年いろいろな練習生を見てきたが、その中でもワリと目立った方なんじゃないだろうか。世間一般で言う今年の有望高卒選手の中では聞かない名前だったが(失礼m(_ _)m)、獲得して育てれば今の水野のように評価が上がると思う。

最近の獲得傾向として、1.フィジカルの強さ(≒体格)、2.技術の確かさ、3.判断の早さ、この3つのうち二つが当てはまり、尚且つ一芸がある選手なら、名前に限らず獲得するように思うので、この選手なら2・3は当てはまるかな、と言う感じだった。
一芸があるかまでは今日は分からなかったが、本人談でやれる手応えは掴んだようだったので、練習参加の期間中に首脳陣に自分の特長を上手くアピールをして欲しい。

試合はその後、OGでもう1点を失って0−2で敗戦。
既存の戦力では、斉藤正の正確なトラップからの押さえの効いた2本のシュートと、椎原の果敢な攻撃への関与が目に付いたが、90分を通して大宮に押されていたので、見るべきものは少なかった。

この他、ランニングをこなしていた怪我人は、サンドロ・林・大輔・山岸・工藤ら。
いずれも、だいぶコンディションが戻って来ているようだったので、2週間後の神戸戦には1〜2人戻って来てくれるんじゃないだろうか・・・と淡い期待も持てた。いずれにしても、天皇杯もあるので、無理せずしっかり治してから復帰して欲しいもの。

相当頑張らないと、今日のサテ組から神戸戦へってのは難しいかも。

11/6(土)・J2ND−12・横浜Fマリノス戦 2004年11月7日(日)19時28分15秒 deletemodify

満身創痍もここに極まれり、そんなメンバーの試合だった。
水野・水本の先発は言わずもがな、充喜までしかもDFで先発出場とは・・・昨年の年間王者の横浜に対抗するにあたって、両チームとも同じくらいの怪我人を出しつつも、このメンバーの違いはひとえに両チームの選手層=経営体力の差でもある。

交代選手を見ても、羽生の負傷で要田を出した市原と、切り札として坂田を投入してきた横浜。その違いが1−2と言う結果にも顕れていた。

開始後、しばらくは市原も攻勢だった。ガンバ戦ばりの運動量で横浜の堅牢な守備に対抗。局地戦で勝利は出来ないものの、丁寧なボール回しや素早いリスタートを効果的に使って、勇人のオーバーヘッドに表されるようなチャンスを作った。けれども、前半はそこまでが限界。
9分、ペナルティエリア少し外でボールを受けた安に何故か誰もプレッシャーをかけずにノーマークの状態を作ってしまう。狙い済ましたパスが、たくさんの市原DFの間を通って、清水の足元に収まり、そのままダイレクトで素晴らしいシュートが突き刺さってしまった。安のマーカーは水本だったが、ここでは全く姿形も見えない。一瞬の隙が、劣勢を生んでしまった。

その後の展開でも、不安定さを隠せない市原は、DFラインでボールを回すにも充喜のプレーも危なっかしく、落ち着きどころを見出せない。プレッシャーをかけられ、ずるずるとラインを下げ、少し前に運んでもパスの出しどころを見つけられず、また戻す。
横浜側からブーイングも起ったが、そうするしかない。加えて、30分過ぎに羽生が削られて負傷退場してからは、勇人以外に動ける選手がいなくなって、いよいよ劣勢は覆せなくなった。

持ち駒も少なく、後半に向けて具体的な希望が見出せない。
前半、ほとんど攻撃らしい攻撃も、守備もこなせなかった水野が後半開始と共に楽山に変わる。遠藤・柳らに一回転させられるシーンもあり、騙し騙しやってきたフィジカル不足が露呈してしまった格好だ。
楽山は、水野のように吹き飛ばされるシーンこそ無かったが、やはり前に向けてボールは運べず、切り札とはなれなかった。

苦しい展開の中、希望を見出したのは阿部の右足だった。
開始早々、巻が倒されて得たFKで右足を一閃。これが決まって同点に追いつく事が出来た。空気が変わって、「いける」と言う雰囲気になった。

しかし、前半から不安定さを運動量で押し込めつつ戦って来たツケが疲労となって重くのしかかる。前に行こうにも、足が思うように動かない。
個人勝負が出来る村井が、必死に3・4人に囲まれながらキープして、シュートを撃ち、囮になってチャンスを作るものの、横浜を慌てさせるには到らなかった。坂本が地べたに這いつくばりながら、ボールをキープする姿が痛々しい。阿部の展開力も、受け手が村井かダメ元で放り込む巻へのタテパスしか選択肢が無くては、活きるはずも無い。数少ない「レギュラー組」はそれぞれが自分で何とかしようと意地を見せていたが、連動性を発揮出来ない状況では各個撃破されて、悔しさを噛みしめるばかりだった。

市原の万策が尽きたところで、横浜・岡田監督が「FW坂田」のカードを切る。終盤に来て「FW林」を告げられる相手チームの嫌さが痛いほど判る。
散々走らされた守備陣が、耐え切れなくなって失点したのは、それから10分後だった。老練な横浜DF陣が残りの10分を耐え切るのはさほど難しくなく、1−2で市原は力尽きた。

90分間の展開を見るとさすがに今日は戦力不足に尽きる。
茶野と言う守備の重鎮を失い、さらに前線で攻守を活性化して上り調子にあった羽生を試合中に失っては、普段の戦いは出来ない。高卒3人組の奮闘もあったが、横浜に対抗するには、まだ力不足だった。
今は耐える時期。悔しさを力に変えて、今日出た一人一人が戦列復帰するレギュラー陣にポジションを譲らない気概で練習から戦う事が、これからの市原を支えていく。

10/31・J2ND−11・ガンバ大阪戦 2004年11月2日(火)22時39分33秒 deletemodify

二点を先行しながら追いつかれた悔しい引分け。だが、今後に期待を持たせる力を出し切った戦いでもあった。試合後の声援が、その全てだった。

劣勢が予想された展開の中、予想通り先発となった水本・水野のルーキーコンビも活き活きとした戦いぶりを見せ、前半は市原ペースで試合を運ぶ事が出来た。
役割分担が明確で、前線で的になる巻、そのこぼれに反応する羽生・勇人、連動した両翼のオーバーラップと、阿部、場合によっては水本らの攻撃参加と、市原が標榜する走力をベースにしたトータルサッカーが輝きを見せた。
その中でも、水野の気の利いたパスや、羽生のウラを狙う動き、阿部の力強い前線への進出は今季の中でも指折りの光彩を放って、慣れない4バックに四苦八苦する大阪守備陣を追い詰めて行った。

そして、首尾よく10分に先制。その後はシジクレイの個人能力に苦戦させられたが、前半終了間際にも加点して理想的な展開となった。

二点差と言うのは必ずしも絶対優位でないのはよく言われること。
後半開始からは、当然市原も気を引き締め直して臨んだのだが、それ以上に大阪の勝利を渇望する気持ちが強かった。正直、あの遠藤のダイレクトボレーなぞ、そうそう入るシュートじゃない。それが決まってしまうのも、この試合に賭ける大阪の意気込み、そのものだろう。

勝負を分けた、いや勝負を分けなかった一点も、市原側が決定的な三点目を奪ったかと思った直後のプレー。阿部のマイナスのクロスから放たれたシュートに、勇人が当たってしまいオフサイドの判定。
喜びに沸く市原を尻目に、隙を逃さずに一気に攻め込んだ大阪のしたたかさが生んだゴールだった。この場面、勇人を責める事は出来ない。あそこに攻撃の枚数を仕掛けることが、勇人の役割であり、勇人が居なければ巻はフリーで居なかっただろうから。

問題は、そこで切り替えが出来なかったこと。
判定に言いたいこともあるが、つまりは勝負を分けることが出来なかったのは、監督の言う未熟さ、なのだろう。スタンドも含めて、あの一瞬はエアポケットだった。

それでも市原は逞しさを見せ、終盤に猛攻に次ぐ猛攻を見せる。
誰が居ないとか、そう言うことを感じさせない怒涛の攻撃。その中で、新戦力・要田のシュートもあったし、村井も渾身の「右」で最後まで勝利を目指した。
試合は、ハッピーエンドではなかったけれども、フィールドに崩れ落ちた市原・大阪の選手からは、戦い尽くした疲労と、勝てなかった事への悔しさがありありと現れていた。

だからこそ、スタンドからは自然に声援が沸き起こったのだろう。
悔しさを市原に関わる全ての人が共有して、この悔しさを無駄にはしないと誓った、その時だった。



“引分け”は、リーグの実質的な終戦を意味していた。
だけれども、そうはさせじと思う気持ちがある。今季市原は、最初から最後まで「選手層」との戦いになっている。今季が始まる前、ヨンス・永輔・柴さん・メグさんを放出して、2チーム作れるような厚みは無くなった。けれども振り返って今、マルキ・サンドロ・大輔・林・山岸ら負傷している選手たちが戻ってきたなら、ずいぶんな「厚み」が今年の実りとして積み重ねられている事に気付く。

今の浦和は強い、だからと言ってこれからも強いとは限らない。市原も強くなる。
これから近い将来の市原の戦いが見えた一戦だった。

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PBS v.1.01