市原2(1−0、1−1)1浦和
【スタメン】
GK立石、DF(左から)茶野・鷲田・結城
ボランチ工藤・中島、左WB楽山、右WB椎原
FW市原・巻・林
【交代】
後半0分:巻→羽地
攻半19分:椎原→水野
攻半19分:市原→水本
【得点】
前半24分:工藤(林)
後半40分:羽地(林)
【前半】
市原:SH07/CK02/FK06/GK??/PK00/OFF05
浦和:SH04/CK06/FK10/GK??/PK00/OFF01
【後半】
市原:SH04/CK03/FK01/GK05/PK00/OFF06
浦和:SH11/CK05/FK08/GK01/PK00/OFF01
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
前日のセレッソ戦は不完全燃焼の引き分け。停滞を見せているトップチームに食い込む若手はいないだろうかと、期待を持って埼玉第二まで足を運んだ。・・・しかし、寒い。この時期にしてはの寒気に、時折雨が混じる空模様。ロクに雨具を持たずに来たのが失敗だった。寒さと雨を堪えての観戦となった。
浦和のサテは1,000円を取る。とはいえ、さすが浦和、観客は多い。
後で気付いたのだが、会場の埼玉第二は柵の外からも見ることは出来る。今度からはそうしよう(笑)だからと言って、1,000円に価値が無いと言う訳でもない。例えるなら「リングサイド」と言うくらいに限界までピッチの近くで試合が見れる。
選手の息遣いや、声、芝の剥がれる臭いまで伝わって来る。
何でもないプレーまでが大迫力。自然に引き込まれる近さだ。
ちなみにもちろん、流れ弾は観客に直撃する。観客を使ってのマルチボール・システムだ。
さて、試合のほうだが、ジェフはセレッソ戦を累積警告で欠場した茶野を加え、さらに主力級の巻・林を最前線に並べる布陣。その他のポジションでも、中島・結城・ラク・立石などがおり、浦和と比較すると圧倒的に面子は揃っている。
当然、内容も相応のものを期待したのだが、残念ながら戦い方は安定しなかった。
序盤にかけては果敢にオーバーラップを見せる結城をはじめ、攻撃的なジェフのペースで試合を優位に進めるものの、決定的なチャンスはごく僅か。何とか、24分の工藤の得点(左からドリブル突破した林のクロスに、走りこんだ工藤が一回転しながら合わせたもの)に繋げるものの、そこからは出足鋭い浦和にペースを持っていかれてしまった。
前後半を通して、中盤と前線のコンビ不足が顕著で、オフサイドの数がやたらに多い。近くで見ているだけに、オフサイドと言うのが良くわかる。多少怪しい判定もあったが、概ね判定は妥当だった。
攻めにかかっても、オフサイドで流れが途切れてしまい、相手ボールに移ってしまう。そこからロングボールを前線に送られて、速さで振り切られてピンチを迎える。なるほど、浦和のサテ、トップに近い戦い方だった。それを分かっていて食い止められないジェフはなかなかしょっぱかった。
この日のジェフは、前線が3トップ気味。
巻を中央に、林と市原が動き回り、さらにボランチの工藤も羽生のように前線に絡んでくる。一方で、中盤の底は中島一枚ではいかにも守備的には頼りなく、かつ浦和が中盤を省略してくるので、「中盤でボールを奪う」「主導権を握る」と言う事はほとんど出来なかった。スカスカの中盤をさらに省略されているのだから、そうした展開も仕方なかったが。。。
結局、徹底したカウンターが身を結んだのは浦和。
猛攻を浴びていた後半の出だし、その流れのままに三上に左から豪快なドリブルシュートを決められて同点に追いつかれる。その後も圧倒的に浦和ペースで、茶野が足元を抜かれたり、ラクがヨコパスを立て続けにカットされたりと、ミスもあって苦しい展開。それでもなんとか、結城や茶野、工藤の粘りで追加点だけは奪われずに同点のまま試合は流れていった。
時折、巻と交代で出場した羽地のヘディングなどもあるものの、チャンスの絶対数が少ない。チャンスの時に他の選手に任せようとする傾向はトップと同じ。「俺が」と言うオーラが出ている選手は見受けられなかった。
苛立って「勝負!!」と大きな声で、目の前のラクなんかを叱咤するものの、全体的に動きに連動性が無くて、ボールの戻しが多い。思うに任せない展開にチーム全体がイラついて、運動量そのものも少なくなっているように見えた。
同じサイドからの攻撃ばかりで、サイドチェンジも無く、打開策が見当たらなかった。
ただ、思いがけず決勝点は手に入る。
林のパスから、羽地。空気が緩んだように、一瞬の隙でのゴール。チーム全体の崩しと言うより、ワンプレーのアイデアと言う感じだったが。後半40分に生まれたこのゴールで、ようやっとチームが動き出し、最後は交代で入った水野がシュートを放つなど、危なげなく残り時間を消費して勝利を飾った。
苦しんだが、5月初勝利、サテ初勝利、アマル采配初勝利だった。
観戦していた、オシム監督・ベルデニック現仙台監督にはどのように映ったか・・・。
正直なところ、まだまだトップの選手を押しのけてどうこう、と言う選手は見当たらない。ジェフとしての選手層の薄さが、まだまだ改善されていない訳だが。可能性を感じさせた選手もいた。
この日はボランチだったが羽生に代わって、タメもつくれるOHとしての工藤。
積極的な攻撃姿勢の見える市原。
攻撃参加に磨きがかかった結城など。
彼らは、ナビスコの2試合を使ってチャンスを与えても面白いと思う。特に、最近疲労の色が濃く、そうでありながら交代のタイミング・相手が難しい羽生の代わりとしての工藤は面白いと思う。
この日見せたような勇人バリの攻撃は、沈滞したトップの活性化に役立つかもしれない。
個々のセンスを、トップに繋がるチーム力に変化させられるよう、サテ選手の一層の奮起に期待したい。今と言うときこそが、本当にのし上がるチャンスであるはずだから。